かつて大きな戦争があった。中央アジアのペルシア王国はロボット産業の育成により飛躍的な発展を遂げていた。独裁体制を掲げる国王ダリウス14世は圧倒的な軍事力をもって隣国の脅威となり、次々と侵略戦争を行う。一方、世界の警察を標榜するトラキア合衆国のアレクサンダー大統領はこれを糾弾し、「大量破壊ロボット製造禁止条約」を提唱。「ペルシア王国が大量殺戮ロボットを保有している」と主張する。同国への調査に法律・ロボット工学などの各分野において優れた見識を持つ人物たちから成るボラー調査団が結成される。その中には日本のお茶の水博士も含まれていた。だが、トラキアの主張する大量殺戮ロボット保有について確たる裏付けはできなかった。調査団が目にしたのは夥しいロボットたちの残骸が置かれた地下空間であり、ペルシアは残骸置き場として利用していただけだと説明する。
確たる証拠が得られないままトラキアはペルシアと戦端を開き、戦争は泥沼と化す。こうして第39次中央アジア紛争は悪化の一途を辿る。やむなく国連平和維持軍として当時世界最高水準とされたロボットたちが派遣された。スイスのモンブラン、ドイツのゲジヒト、ブリテンのノース2号、トルコのブランドとギリシアのヘラクレス、そして日本のアトム。だが、アトムはその意に反して戦災に遭った人々を慰問する「アイドル」として大歓迎を受ける。ゲジヒトはロボット刑事の特性から市内の探索に回される。モンブラン・ノース2号・ブランド・ヘラクレスは、卓越した戦闘能力でロボット兵を次々と破壊。唯一人、徴兵拒否したオーストラリアのエプシロンは罰として戦後処理に駆り出される。彼らこそ一つ間違えば大量殺戮兵器となりかねない優秀すぎるロボットたちだった。だが、平和維持軍に参加した7体のロボットたちは戦争の意義も隠された意図も知ることなく、それぞれが同胞殺しへの罪の意識を抱き、荒廃した街と人もロボットも無残な姿となった凄惨な光景に言葉を失い、全員が一様に「心の疵」を負った。そして役目を終えた彼らは自らの日常へと戻っていった。
ペルシア王国は荒廃し、ダリウス14世は戦争犯罪人として捕らえられた。ペルシアは民主主義を受け入れて共和国となるも、戦争で理不尽に肉親を奪われた人々の怒りや絶望感は抑えようもなく、戦争は完全に終わることなく火種は燻り続ける。そして4年が過ぎる。
[Comic Set] Pluto จบ (เล่ม1-8)
650 ฿
Publisher : shogakukan
Publication date : 2009
Language : Japanese
ISBN-13 : 978-4091825247
Location : 3FL
Category: Comic Set
![[Comic Set] Pluto จบ (เล่ม1-8)](https://keybookonline.com/wp-content/uploads/2025/10/91R94bXZFFL._SL1500_.jpg)





